「模擬坑道」は、バリバリの本物の坑道で、地下では実際の石炭層に触ることができます。
上屋構造物が錯綜していてチョッと雰囲気が損なわれていますが、良く見ると風格ある佇まい。
レンガ巻
坑口を入りチョッと下ると、すぐにレンガ巻がお出迎えです。
「冠(かんむり)坑道」
炭層の上部に掘られた「冠(かんむり)坑道」またの名を「上添(うわぞえ)坑道」。資材運搬と排気を担います。
この後に通る炭層下部の「ゲート坑道」とセットになって、石炭層の中をグリグリと掘り進んだものです。
「採炭切羽(きりは)」
上の「冠坑道」と下の「ゲート坑道」との間を結んだ坑道が、石炭を掘り出す「採炭切羽(きりは)」です。
炭層の傾斜(約20°)と同じ傾斜がついた坑道で、ドラムカッターによって炭層が切削され、コンベアーによって石炭がゲート坑道へと運ばれて行きます。美しく光る厚い炭層を見ることができます。
自走枠
天盤を支えるための枠柱(自走枠)も炭層傾斜20°に傾いて並べられており、その横の階段をゲート坑道に向かって降りて行きます。
坑道掘進を再現した展示
下のゲート坑道に降りたら、右へ行かず、左の坑道先端に行ってみましょう。
坑道掘進を再現した展示では、実際の石炭層に触れることができます。地中にある石炭層を、この手で触ることができるなんて、めったにない機会です。
ここから出口にかけては、模擬坑道の補修を行ってくれた釧路コールマインの現役炭鉱マンの技を随所に見ることができます。
ポンプ座
ゲート坑道から地上へ出る斜坑の接続部には、坑内湧水を溜めて地上へ排出するための「ポンプ座」があります。
もともと、北炭夕張鉱は水の多いヤマでしたが、夕張新鉱が閉山前夜に坑道上部の残炭を露天掘りしてしまったため、ますます湧水が増してしまいました。今では、年間800万円の電気代をかけて水をポンプアップしています。わずか半日でもポンプが止まると、模擬坑道は水没してしまうのです。全経費の1/3が電気代に消えてゆくという、極めて特殊な博物館の運営には、皆さま方のご支援が不可欠です。
ポンプ座から一気に上り階段。ここを登り切らないと、無事、出坑はできません!最後の頑張りどころです。